生徒だけど寮母やります!3
* * *
夕飯も終わって午後8時
「あの人たちなにしてんの?」
自室から共同リビングへと降りてきた千加が見たのは、先輩の男子5人が上半身裸にバスタオルを腰に巻いて一列に並ぶ異様な光景
彼のもっともな疑問に対し、ダイニングテーブルにて読書をしていた景は首をひねると
「一肌脱ぐどころか素っ裸になってお風呂に突撃するみたい」
と、やる気にみなぎっている彼らを見ながら答えた
「なんでまた」
「夕飯には顔を出してくれなかったけど、2週間ここで生活する2年生がいるって言ったでしょう。その人がついさっきお風呂に入りにきて、今中にいるの。それを見計らって、5人で行って取りおさえるんだって」
「それであの人たちタオル一枚でみんなして並んで浴室の方向いてるんだ。ヤベー奴らかと思った」
「はは.....」
状況を言葉にされるとなかなかえげつないものがある
それが耳に入っていたのだろう、つき合わされている感の凄いライは「ほんとだよ」と小さい声で愚痴った
景としては目のやり場に困るので、とっとと浴場へと行ってほしい
そんな願いが通じたのか、はたまたこの状況に耐えられなくなったのか定かではないが、咲夜がこほんと咳払いをして4人の顔を見渡す
そしてアイコンタクトをとると
「とつげーき!」
と人差し指を浴場の方向へと向け合図する
それを皮切りに、彼らはなんとなく躊躇いがちに浴場へと向かって行った