生徒だけど寮母やります!3


「うるっっせぇな、あの子をどうこうなんて思ってねーよ。ただ俺が何をして謹慎食らったのか全部把握してんのに危機感なさすぎだし、お前らまで仲良くしろなんて言いだして頭おかしいって言ってんだろ」


「何したの?」



気を荒だて投げやりに言う相生に対し、爽馬が冷静かつ端的に尋ねる


人一倍華奢で白い肩を湯船から出し、独特の空気を身に纏う爽馬のことを、相生は僅かに眉をひそめて見つめた



「お前.....転校してなかった?」


「.....戻ってきたんだよ」


答えではない上に質問に質問で返された爽馬は一瞬苛立ちを見せつつ、素直に返答する



「えー.....いまさら?」

ずっといたけどね!?と咲夜が驚きの声を上げると



「いいから早く答えてくれないかな」

そんなことよりもと、爽馬は少し不機嫌に相生に質問の回答を促した



なぜか相生は「戻ってきた」というシンプルな回答で納得してくれたらしい


彼は話を戻し、「何をしたか」という質問に対して躊躇うことなく正直に答えてくれた


「男子寮Aに女連れ込んで押し倒して、見つかってチクられた。その後、部屋を捜査されて酒とかタバコ没収された」


「おーやらかしてんねぇ!」

謹慎の原因が複数個あったことに、逆に感心したような声を上げてしまう市河


彼がハッとして

「いやでも未遂か.....え、未遂じゃんね?」

と期待を込めて尋ねると、相生は「あぁ」と頷いた



「.....その『もちろん未遂だけど?』みたいなのクソダサいんだけど、返事適当すぎ。お前本当は何もしてねーだろ?」



苛立ちを募らせたライが、彼の態度から推測した事実を指摘する



「え.....」


少し不審がって表情を曇らせる相生


その他からは、お?という視線を受け、ライは「お前らもちょっと気づいてただろうけど」と切り出した

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