生徒だけど寮母やります!3





「なっっ、なんで受け入れちゃったのぉ!?」


相生が謹慎を受けるに至った真のストーリーを聞いて、咲夜は愕然とした表情で彼を見る



ライ、結斗、市河も、まさか謹慎を食らったのが女子Aを庇った結果であるとは思いもせず、言葉を失い固まった



相変わらず涼しい顔を保てているのは爽馬だけだ



長時間風呂に浸かってのぼせたのか、相生は顔をタオルで拭って一呼吸置く


言いにくかったのだろう、咲夜の質問に答えるまでには少し時間がかかった



「.....女は3年だったし、これがバレたら進路に響くだろ。悪ぃのは女のことを呼び出しておいて守りきれなかった男だ」


「そんなわけないだろ。男子寮に入った時点でルール違反だ。男も悪いし女も悪い。そんで一つ言えるのは、お前は一番悪くない」


食い気味のライの反論に、相生はわずかに驚いて目を開く


自分をかばってくれたことが嬉しかったからだろうか、彼はほんの少しだけ表情を和らげて首を振った



「あの後、話を聞いた女子生徒の担任が『脅して呼び出されたのか?』と尋ねた。ハイって言え、ハイって言え、面子を気にした顔にはそう書いてあったけどな」



話をでっち上げて嘘つくよりも、yesかnoで答えただけなら罪悪感も少なく済む


なんとなく状況を察することが出来た一部の大人も相生を悪者にすることで、おそらく成績も優秀で進路が有望だった女子Aを守ろうとしたのだ



「ないだろ.....ありえない」


納得のいかない市河の消え入りそうな言葉に、結斗も瞼を伏せて小さく頷く


「本当にそれで納得してるの」


爽馬が尋ねると、相生は予想よりもはるかに力強く頷いた

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