生徒だけど寮母やります!3

「こうして収まったならこれ以上事を荒立てることもない。どーせ卒業したら働くだけだし、成績なんて気にしねぇから」



この結果に、本人が一番納得しているとは


なんともやるせないけれど

彼は凄い人だ



「アイオくん.....アイオくん.....」

ジーンと涙をこらえて独特の愛称を口にする咲夜に、相生はギョッと顔をひきつらせる


「は.....アイオ?」


「君は漢だ!漢の中の漢だ!ばんざーい!アイオ君バンザーイ!」

「「バンザーイ!!アイオ君バンザーイ!!」


咲夜の万歳に合わせて、市河と結斗、さらには面白がったライや爽馬まで、無表情ではあるものの、ぱしゃぱしゃと湯に音を立て両手を上げ下げした



「やめてくれ」


「でも、もしかしてだけど、景ちゃんはこの事分かってたのかもね。本当はアイオ君は悪くないって」

アイオこと相生の心底迷惑そうなセリフをスルーして、結斗が首をかしげ言う



未遂といえど女子生徒を強姦した濡れ衣を着て、さらには部屋から酒やタバコまで押収されて謹慎を食らった男子生徒を、快く歓迎した景


高校生の女の子に、サラリとそんな対応が出来るだろうか


もしかしたら景は相生の無罪を確信していたから、こんなにも彼を温かく歓迎したのではないだろうか


「うーん、たしかに」

「寮母の勘ってやつだ」

と市河と咲夜が頷く



「何それ、魔法じゃないんだから」

呆れたように爽馬がため息をつくと、相生は何が思い出したように「あ.....」と小さく声を漏らした
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