生徒だけど寮母やります!3
すかさずライが、咲夜の横、つまり自分の斜め前に座っていた景の後ろに移動して、その身体を後ろから抱き寄せる
「うわぁ」
後ろから回した右手で景の左首筋から頬にかけてを下から上へと撫で上げながら、意味深な視線を相生に向けた
「俺の犬。景、また今夜も部屋で待ってる」
「自分のことを人間だと思ってる大型犬は邪魔だからハウス」
そこに笑顔の結斗が登場して相生の横に座ると、彼の前で景に手を差し出して助けるそぶりを見せる
「ゴミだね」
爽馬の辛辣なライへの評価を聞きつつ景は素直に彼の手を握ると
「相生君の前でなんか勘違いされるような変なことしないライ!あ.....ありがと結斗」
と相生の視線を気にしつつ赤面し、とっさに弁解した
「犬っていうのは、えぇと、私ワーウルフなんだけどね......ちょっと欠陥があって狼っていうか、その.....もはや犬にしか変化出来ないんだ。えっと.....恥ずかしくて人にはあんまり言えてないんだけど.....」
当初はこれを打ち明けることにだいぶ時間がかかっていた景も、だんだんと人に打ち明けられるようになってきた
「違うよ景。欠陥じゃなくて、特別なんだよ」
市河が珍しくふわりと微笑みかけて、景の頭を撫でる
「ありがとう、日向」
ぎこちなく微笑む彼女を見て、爽馬も安心したように少しだけ表情を緩めた
そんな様子を見ていた相生は、わずかにポカンとしながら
「欠陥のワーウルフ.....」
と呟く
「欠陥じゃない」
すかさず爽馬が訂正するのをほほ笑んで見ていた結斗は、相生に向き直ると優しい口調で話した
「僕たちさっき、アイオ君のこと色々教えてもらったのに、アイオ君には僕たちのこと何も言ってなかったよね。特に知りたいことはないかもだけど、気になることが有ったら答えるし、遠慮なく聞いてね」
「そういえば、そうだな。一方的なのは良くない」
咲夜が頷くと、「それじゃあ」と相生が口を開く
しかしその口から出てきたのは、思いもよらぬ質問だった
「あんたらって男同士でデキてんの?」