生徒だけど寮母やります!3
「え、な、なに!?」
とんでもない直球な質問に対して、動揺した咲夜が驚きの声をあげる
「それはないよー、こんなに女の子のことが好きなのに」
対照的に落ち着きを保っている結斗は心外だと言わんばかりに不満そうな声を漏らし、景の手を優しく握ると、その手の甲にそっとキスを落とした
「へっ!?」
「それはそれでどうかと思うんだ」
ため息をつく市河と殺人鬼のような視線を向けるライよそに、結斗は「好きだよ景ちゃん」と微笑みかける
「う.....あの、ありがとう.....?」
「.....それって、マジの意味で好きって言ってんの」
「それはもちろん、マジじゃない愛なんて持ってないよ」
相生の疑問は最もだったが、はぐらかしたような結斗の回答は実際のところあまり答えにはならなかった
「でも、男同士で恋愛感情持ってるなんてそぶり、誰か見せてた?」
そのような質問をするに至ったのは、この寮の男子たちの誰かと誰かが恋愛関係に見えたからではないのか
そう推測した爽馬が相生に質問する
すると相生は「いや.....」と否定してから
「ただ多くの奴らがそう言ってたから.....」
と余計に気になる発言を残して口を閉じた
「多くの奴らって誰.....」
ガクガクと震え愕然とする咲夜
「どうせクラスの腐女子だろ」
ライが面白くなさそうに心当たりを述べると、相生は「男も言ってんぞ」と少し哀れんだように声をかけた
「腐、腐男子ぃぃ!?」
「違うでしょ咲夜.....だからさ、それだけ君たちに女の子の影が見えないってことじゃん?」
いたって真面目にツッコミを入れる市河だが
「日向、君たちって.....なんでしれっと自分のこと除外したの?」
「え.....え?」
景に痛いところを突かれて言葉を詰まらせる