生徒だけど寮母やります!3


当然市河も含めて言ったつもりだった相生は「.....お前も」と、生まれ持ったなかなか笑えない鋭い目つきで市河を見た



「いや.....だって違うんだよ、話が。違うじゃん.....」

タジタジになりながら市河はそう言ったきり口を噤む


景もああは言いつつそんな彼の気持ちは理解できたため

「ま、まぁね。そうだよね」

と少しばかり同情して苦笑いで頷いた



問題は入学当初から男子寮Bで生活している、彼以外の4人なのだ



いつも初めて会う人には疑いなくモデルや俳優など、芸能人だと思われてしまうライ


そういえば学校ではガラスの人形なんて呼ばれている冷徹美少年の爽馬


更にそういえば学校では王子なんて呼ばれていて、ビジネスにも強い結斗


見目も良い上に学力と身体能力が共に飛び抜けて優秀で、最も親しみやすさのある咲夜




この4人に全く女の気配がないことが

この学校の生徒たちが有る事無い事を噂する原因なのだ



「でも俺も知ってるよ、学校の人たちになんか色々言われてること。あんまり気にしてなかったけどさすがに当事者だし耳には入ってるかな」


笑顔であっさりと言う結斗に、「じゃあなんて言われてるの」と爽馬が問う



「ん〜、例えば、学校の女子に見向きもしないのは女優やモデルと付き合ってるからだとか、あとさっき言ったように俺とライが」

「ヤメロ」


ゾッとした様子でその先を言わせまいと口を挟むライに、結斗は

「まぁこの話は景ちゃんの方が詳しいかもね」

といたずらに笑う


女子が好きそうな話題と言う意味で言ったのだろうが、全くその通りで、まして寮母なんてやっている景の周りではよくこの手の話が度々起こっていた
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