生徒だけど寮母やります!3
したがって隠す理由もないので、景も正直に女子の間で噂されていることを話す
「でもライと結斗の関係性については、理想に派閥があるみたい。2人が恋愛関係希望派と、どっちもフリー希望派、犬猿の仲とみせつつシンメ希望派とか.....」
「もーアイドルじゃんー」
咲夜はニヤニヤ楽しそうにツッコミを入れると、ライの肩をペシンペシンと叩いた
景はそんな様子を見ながら、躊躇いがちに「あとは.....」と切り出す
逆にそのぎこちなさが全員の視線を一気に集めてしまい言いづらくなったが、ここで引っ込んで勿体ぶってる様に思われるのも嫌だったので正直に話した
「実は学校に秘密に恋人がいると思ってる人とか、私が男子寮Bの生徒に恋愛禁止令を出しててみんなが恋愛したくてもできないと思ってる人とかね」
これに関しては「え〜」だの「あー」だのそれぞれ異なった反応が起こる
「え〜」派の反応をした結斗をライはふっと鼻で笑って指差すと
「とか言って後者はともかく、前者はあるな?」
と意地の悪い声をかけた
「はい?無いんですが」
「さっき1人だけ遅れて来たのも、電話してたからだろ。何番の女?」
「.....夏休み開けたら教室でキスして噂を本当にしてあげようか、ライ?」
「あ?」
____あ、はじまりましたね
景は市河や咲夜、爽馬と瞬時に視線を交わしながら心の中で声を掛け合う
相生すら2人以外のまた始まったよ、という反応を見てなんとなく察してしまう
「確かに電話してはいたけど、明日のパーティの打ち合わせで.....」
いつも冷静で温厚な結斗が若干イラつきながら零すと、全員は「パーティ」の単語に餌を見つけた魚のごとく反応した