生徒だけど寮母やります!3

なんだか楽しそうに話を進め出した2人に相生は苦い表情を向けると

「いや苦手教科っつってんじゃん」

なにこいつら?、とでも言いたげに小さい声でぼやいた


英語の点数を超上げて、先生を見返すだなんてそうそう簡単なことではない

テストは目前


とてもではないが不可能だ



咲夜は相生からそんなネガティブな気配を感じ取ると、自信に満ち溢れたような顔で声をかける


「大丈夫、うちのテストは模試とは違って教科書の出題範囲が指定されてるから、本文は分かってるじゃん?だったら今からやれば絶対にできるから」


「.....いや」


返答を濁す相生


彼を見かねて、英単語帳をパラ...とめくりながらライが視線を変えずに声をかけた


「アイオ、勉強.....嫌なわけじゃないだろ。ただこんなにも話盛り上げられて、口に出すのは簡単だけど上手く行く保証なんかなくて、躊躇ってんじゃん?」


しばらく口を薄く開けてライを見つめていた相生は、「まぁ.....」と頷く


そんな彼を見て、景は目を細めて微笑んだ


「ごめんね、ちょっと舞い上がって話し盛り上げちゃった。上手くいかなくても全然いいんだよ、ただ私たちがアイオ君と勉強したい口実を作りたかっただけなんだ」


「今寮母さんまでアイオって.....俺と勉強したい.....?」


色々な点で衝撃を受け感情が忙しない


相生は全員の注目集め困ったように視線を動かすと、なぜか自分を差し置いて彼らは全員自信を持ったような晴れやかな表情をしていた


_____す、すげぇなんだこいつら


視線だけでチラリと自分を見ていた結斗にはクスリと微笑まれ


市河も何の問題もなさそうな顔でこちらに笑顔を向けている


爽馬は相変わらず無表情だったが



なんとなく頷かなければならないような雰囲気だった


「わかったって.....」

「「おお!!」」



勉強なんて、誰かに教えてもらったことなどなかった



楽しくやる、なんて考えたこともなかったけど



もしかしたら本当に楽しくできるかもしれないなと


相生は息を吐き出しながら小さく笑った

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