生徒だけど寮母やります!3
「わぁ!やった!!ありがとう、爽馬。じゃあ一緒に行く?」
「うん。行こう」
2人が微笑み合う様子を唖然とした表情で見つめる相生
「え、小高ってこんなやつだっけ?」
そんな彼をよそに、しばらく己の中の何かとグヌヌ.....と葛藤していたライは
「....行く」
突如我慢ができなくなったかのように、腹をくくって一言発する
ライの思わぬ発言に静まり返る男子寮B
彼はその場にいた全員の視線を浴びながら
「俺も行く、LOS」
と再び力強く断言した
「「おーー」」
爽馬に対抗するためという理由はバレバレだが、LOSはあれほど行きたくなかった先輩女子の巣窟だ
景の為なら例え火の中水の中だろうと飛び込むという心意気に、その場にいた咲夜は「よく言った」と拍手を送った
(まるで一大決心でもしたかのようだが、LOSとはロサンゼルスのことではない
単なる学校の夏祭りであることを、ここで確認しておく)
咲夜はライの肩に手を置いて「相棒」と語りかける
「ライだけ行かせるわけにはいかないな。俺も行くよ、LOS!」
「くんな」
「えっ?ダメ?」
「邪魔すぎる。俺が先に腹括ったんだ、留守番してろ」
子どもの屁理屈のような訳の分からない理由で首を横に降るライ
「じゃあ僕が先に腹括ったんだから誰も来ないでよね」
爽馬はもっともな言い分を言ってからため息をつくと、顔を曇らせて「でも.....」と続けた
「結局みんなで行くことになっても、アイオ君だけは行けないよね。事実上、謹慎中なわけだし。それもどうなの」
「小高ってこんなやつだっけ?」
自分のためを思った発言をしてくれた爽馬に、先ほどと同じセリフを同じ表情で吐く相生
そんな彼に景はパッと顔を向けた
「ん?あ、いいス。別に行きたくないんで」
「そうだよね、一時的とはいえアイオ君もBの一員なわけだし。一人だけ行けないのはちょっと違うよね」
「聞いてます.....?」
そこで千冬が何かを思いついたように
「あ」
と声をあげた