生徒だけど寮母やります!3
* * *
さて
昼間と大差なく夏陽が明るい夕方午後5時
「ふ〜。掃除完了ー」
そろそろLOSへと出発する準備をしなくては
景は寮の大浴場の掃除を終えると、バケツを引っさげペタペタと裸足で共同リビングへ戻る
向かう先からは、わあわあと騒ぐ声が聞こえてきた
「なんだなんだ」
LOSに行くだの何だのと先程から騒いでいた彼ら
景は「多分、最終的に全員行くんだろうな」と予想しつつ、ひんやりと冷たいドアノブを回して扉を開けた
のだが
考えが甘かったようである
まるで景がリビングに入ってくるのを見計らっていたかのようなタイミングで右手を差し出してきたのは、ここにいるはずのないクラスメートだった
「待っていたわ景!ようこそ、キャバクラ『ドミトリーB』へ!」
「え.....有姫ちゃん?いや、ここ男子寮Bだけど」
「今から当店自慢のお姫様たちを紹介するわ!まずは親しみやすい布系プリンセス、あなたと危険な一夜に可憐な花を咲かせます、咲夜!!!」
どうやら「キャバクラ」というコンセプトで華やかなキャッチコピーと共にまず最初に登場したのは、見たこともない超絶美少女『咲夜』
一瞬ギョッと目を見開いた景は、そう言えば前にもこんなことがあったぞ?と海馬をフル回転
あぁ、そうだ
文化祭の日向ちゃんだ.....
と納得してからは、大人しく謎のショーを鑑賞することにした
_____騒がしかった理由を完璧に理解した
_____このノリで全員女体化しているに違いない
目が合った布系プリンセス咲夜ちゃんは、どこか恥ずかしそうだ
「どんどん行くわよ!お次は毒舌の世界へLet it go!氷のプリンセス、爽子!」
続いてツッコミどころが満載なキャッチコピーとともに出てきたのは、不機嫌極まりない顔が恐ろしくも美しい氷の姫、爽子
_____ああ、どんまい爽馬
景は真顔を保ちながら心の中で叫びつつ、彼もとい彼女とアイコンタクトを取り合う
目が「最悪」と語っていた