生徒だけど寮母やります!3
「ちょっと、美女5人じゃないわよ。6人に訂正してよ私もいるんだから」

さすが美女としての自覚がある有姫は、聞き逃さずにグチグチとクレームを出す


「なに?だいたいお前何でここにいんの」

「LOSに行くから景を迎えに来たのよ。そしたら面白そうな催し物がやってたからちょっと参加したんじゃない」

「何も催してねーよ。女禁制だ、中入んな。外で待ってろ」

「どの口が言ってんのよ鏡見て来たら?それに今から女に偽ってLOS行こうとしてる奴が寮則なんか気にしてんじゃないわよ」


この2人の間にしょうもない口げんかが発生するのはいつものことだが、見た目が女同士の喧嘩だからだろうか、その光景はいつもより暑苦しい


「有姫ちゃーん、寮則は気にしてくださーい」


寮母として聞き逃せない発言に景が注意を入れたところで、結斗が「あっ」と声をあげた


一年生の誰かの部屋で、女体化の術をかけていたのだろう

結斗の視線の先には個人部屋につながる階段から降りて来た小柄で眼鏡を掛けた男子生徒がいた


おそらく彼が千冬が呼んできたクラスメイトだ


「お疲れ様、成田。完璧やん」

「凄いよ成田君っ!」


弥隼と満宵の賞賛の言葉に照れ笑いを浮かべながらも、彼は「1人忘れてますって」と戸惑いの表情を浮かべる


そう言って振り返った視線の先には、まさか彼まで女体化するとは思ってもみなかった、金髪ギャル相生の姿があった
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