生徒だけど寮母やります!3
せっかく可愛くなって、正体も隠せるっぽいからみんなとLOSに行こうよ!
そんなメッセージを込めて親指を立てグッドサインを出す
「やっぱ俺行くのかよ.....」
そもそも行きたい気持ちは特になかった相生の表情は複雑だが、まぁそれも悪くないかな、なんて気持ちが生じてきたのもまた事実
肯定もしなかったが特に嫌がったりもしなかった彼の反応に満足した景に、結斗がふわりと微笑みかけた
「せっかく楽しいところだけど、俺はそろそろ運営の手伝いに行ってくるね。あとで会場で会おうね、景ちゃん」
「え、結斗まさか美女姿で行くの!?」
「はは、うーん.....確かにもう少しこの姿で景ちゃんを愛でたい気持ちはあるけど、流石にこのままは.....」
「そうよ景。それに伊吹くんが伊吹結斗を名乗った上で女体化してたら、もれなく他の美女軍団も男子寮Bの男たちだってバレちゃうわ」
「その前にもう会場に入った時点でバレるんじゃないかと思うんだ」
「景ちゃん、誰も触れずにいたところを.....」
苦笑いで戸惑う結斗に術者成田が「あ、解きますか?」と声をかける
「うん、お願いします」
「じゃあ部屋行きましょう」
景たちは個人部屋に戻る結斗を見送ると、よし、と謎の連帯感を持ちつつ目を見合った
「行く?」
「うん、行こうか爽馬。その前にお姉さんたち、ちょっと華を落としてくれるかな。その姫みたいなどこから持ってきたのか謎のキラキラのティアラとか、誰がつけても変だから取って欲しいんだけど」
「ういー」
「.....分かった」
「それ私の私物よ」
どうやらプリンセスたちがつけているゴテゴテのアクセサリーやジュエリーは有姫の物らしい
「景、あなた今誰がつけても変って言った?」
「.....有姫ちゃん以外には似合わないって意味ね。それと.....!!」
声を張って言葉の続きを溜める景に、全員が視線を向ける
「それと.....」
「なに」
ライに問われ、景はカチカチの笑顔で笑った
「へへ」
ぽんっ!!!
「わんっ」
音と共に消えた景が元いた場所に現れたのは、爽馬争奪戦ぶりのミニチュアシベリアンハスキー
「わんっ」
あとは全部委ねたわん.....
ふわふわの犬の顔には
そう書いてあった