生徒だけど寮母やります!3

「お前犬ダメじゃん」

「そうなの。だから小高君、いくら景とはいえど私にその子近づけないでね。本当に犬が苦手だから。中身の問題じゃないから」


大袈裟に両手で制するジェスチャーをされ、爽馬は中身の問題じゃないならこの愛くるしい見た目がダメだというのか?と不思議な気持ちで「うん.....」と承諾する


「くぅん.....」

腕の中の仔犬が悲しそうに鳴くと、彼は目を伏せて口を緩めた


「大丈夫、よしよし」

すりすりと頬を親指の腹で撫でられて心地いい


景はシベリアンハスキーとしての本能で、チロリと彼の指を舐めた


「くすぐったい。景、疲れてない?」

「わん」

「うん、あんまり長居はやめた方がいい。ペットボトル持ってきたから、あとでちょっと水飲もう」

「小高君、飼い主みたいやな」


鈴菜が2人の様子にケラケラ笑うと、市河が爽馬の肩を組む


「狐が、犬の世話しちゃって」

「確かに。シベリアンハスキーも狐も雪国の動物だから、ちょっと似てるでしょ」


市河のほんの少しからかい気味の言葉にも、爽馬にしては珍しくノリノリな返答が返ってくる
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