生徒だけど寮母やります!3

瀧居の元まで来る短い道のりで頭を瞬間冷却させたライは、瀧居と並んで座る元生徒会役員の視線を集めつつも努めて笑顔で話しかける

「瀧居先輩.....私たち実は、ずっと先輩のファンだったんです」

その言葉に瀧居が「えっ」と短く驚くと、「ひゅ~」「さすがだな瀧居」と横の生徒が肘でつついた


最初は驚いていた彼だったが、ライたち4人の顔を見て表情を綻ばせる

「ありがとう。嬉しいよ」

案外すんなりと受け入れ微笑んだ様子からは、彼にとって女性からの好意は珍しくないものであることが推測できた


確かに見た目からして顔も整っておりクールで優等生な雰囲気が漂っているのだが.....その余裕な表情がやはりどうしても好かない


「ファンなわけねーだろバーーーカこっちは学校イチ女のタゲ取ってんだよ己惚れんな」という理不尽な暴言をギリギリで飲み込んだライは、両手を合わせて少し俯いてみせる

「よかった.....すみません、ただ私たち気持ちをお伝えしたかっただけなんです。突然声を掛けてしまって迷惑でしたよね」


クールな見た目に反して弱気な姿勢

容姿を存分に有効に使ったセリフで謙虚さを演出


「でも、気持ち伝えられてよかったよねっ!じゃあ私たちは戻ろっか」

咲夜が早口で畳みかけライの手を引くと案の定、瀧居は去ろうとする女子四人を引き留めた
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