生徒だけど寮母やります!3
「まって!!!」

「「「えっ」」」

瀧居の引き留める言葉を待っていたかのように即座に反応して振り返るチョロい女3人

咲夜が右手を後方に伸ばし「戻ろうか」という言葉を鵜呑みにして引き返そうとしている相生の首根っこを掴みつつ、「な、なんですか・・・・・?」とあざとく尋ねた


瀧居は控えめな女子たちを安心させるかのように柔らかく微笑み、わずかに首を傾けてみせる

「いや、もしよかったら名前を教えてもらえないかな」


この言葉に真っ先に反応したのは日向だ

「な、名前.....」


___やっべー、どうすりゃいーんだ.....適当に名乗るか?


本名を言うわけにもいかず、素で一瞬言葉を詰まらせ視線で周りに助けを求めた彼の様子が、瀧居には名前を尋ねられ純粋に戸惑ったように見えた


「あ、ごめんね。嫌ならいいんだ。ただ君たちがとても可愛らしい女の子だったから気になってつい......」


ここで咲夜が機転を利かせる

「ほ、ほんとですか?.....嬉しい。でも先輩、私たちよりも美人でとても優秀な生徒会の彼女さんがいらっしゃいますよね?」


咲夜の発言に「え?」と声をあげ面を食らった様子の瀧居

「そんなわけないよ!」


思わず素直に答えてしまった瀧居を上目遣いで見つめながら、ライはか細い声を出した

「ほんと.....?」


___だろうな!!!

今の俺より美人な女は今この学校にいない

俺より可愛い女は景という尊い存在ただ一人がかろうじて存在するものの、波屋と斎藤と九雷を500人ずつ足したって俺の顔面レベルには程遠いわ

お前の彼女なんか(見たことねーけど)論外だ.....!


しかしその論外が瀧居の後ろに立っていたことに、瀧居以外の全員が気がつき、その圧倒的な気迫に誰もが身体を硬直させた


瀧居の隣に座っていた生徒会役員までも___


「俺の彼女なんて君たちに比べれば全然.....」

「全然、なあに?」
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