生徒だけど寮母やります!3


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「「「……なるほど」」」



こういう時の女の情報処理能力というのは大変素早いもので


「やっぱりあの女子生徒は瀧居の彼女で」

「助けられたことで相生君に恋に落ちてしまったのよ!」

鈴菜と、続いて有姫が興奮気味に推理を発表した


そんな様子を爽馬と柊は並んで見守る

「2人はさ、相生君本人から詳細を聞いたわけでもないのに、景ちゃんから聞き出したり、男子寮Bのみんなの話や雰囲気からすべての事情を察して、しっかり首をつっこむよねぇ」

そう言う柊にも2人のおかげで大体の察しはついている


月沼の件といい、悪と正義がすり替わって、悪くない誰かが不利益を被る状況に我慢がならないのだろう

爽馬に抱えられながら、景も心の中で「2人らしいな」と笑った


「それにしても、当の本人はなんか固まってるけど、大丈夫かなぁ」

ステージ上の綺麗ギャル相生に注目した柊は、不意打ち告白を受けて石と化している彼の様子に不安を口にする


「本当よね。私が相生君だったら即、男姿に戻って『ざまあみろ』でもなんでも言ってやりたいくらいよ」

絶好のチャンスとばかりにうずうずする有姫に

「そー…れは仕返しの割にカッコつかんからやめたほうがええな」

と冷静な鈴菜


「もしかしたら男姿に戻れないのかもしれないよ」

と柊が言うと、それを聞いていた爽馬が久しぶりに口を開いた


「ていうか、今謹慎中だし、戻っちゃだめ」


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