生徒だけど寮母やります!3
瀧居は思い出したように
「あいおい.......あいつか」
と呟く
どこを見つめているのだろうか
その表情はみるみる怒りを孕み
しだいに彼は「ははは」と小さく笑いだした
あまりに不気味な反応に、名前を呼ばれた相生をはじめ全員が注視する
「相生ってあいつか。お前のこと男子寮に連れ込んだクズのことじゃないか!」
瀧居は周りの人に聞こえるような大声でそう叫んだ
「ちょっと!」
瀧居は女子生徒が制するのにも耳を傾けず続ける
「お前も、俺が他の女子たちにとられそうだからって、そんなふうに自分を乱暴に男子寮に連れ込んだ奴の元へいくような女だったんだな!」
「あんた.......」
「それとも、もしかして合意の上でお前から男子寮に行ったんじゃないか......?だってそうじゃなきゃそんな男のこと、好きになるなんてありえない!」
瀧居から20メートルほど離れた場所にいる景、爽馬、鈴菜、有姫、柊にも、彼の言葉は全て聞こえていた
「あいつ......あの女子生徒が言い訳できないのをいいことに、相生君のことを都合良いように使って。これじゃあの子と相生君が悪者じゃない!!」
声を潜めつつ有姫が怒りを爆発させると
「ほんま......ようベラベラベラベラ言うなぁ。相生に全部なすりつけておいて、まだ足りんか。そろそろ復讐でも何でもして一泡吹かせとかんと、次何言いだすかわからんで」
と鈴菜も怒りをにじませる