生徒だけど寮母やります!3
「やっぱりその、大人たちからは寮部屋で軟禁しろって言われてんの.....?」
市河は景と相生を交互に見て尋ねる
「うん、大人からはね」
「言われてんじゃん.....」
あっさり認めた景に対しライがボソリとツッコミを入れる
そんなことは気にもせず、景は隣に立っている相生を笑顔で見上げた
「でも私たち、寮で軟禁としか言われてないもんね。部屋とは言われてないから。寮から出なければ、寮内は動き回っていいからね」
景の提案に、口をぽかんと開ける咲夜と市河
「え?」
結斗は優しく微笑んだまま戸惑いの声を漏らし
「は?」
相生に対し嫌悪感を抱いているわけではなさそうだったライも、顔を曇らせた
「それいいんすか」
そんな相生のまともな返事は、ここにいる全員の気持ちを代弁する
「オールオッケーー」
手で丸を作ると、靴を脱ぎ玄関に上がった彼女は後ろをくるりと振り返った
「じゃ部屋に案内するからついてきて、相生くん」
「あ.....はい」
自分たちは今までなにをそんなに心配していたのだろう
男子寮Bの男子たちは置き去りにされながら、たくましい寮母を眺めていた