生徒だけど寮母やります!3
一言目には口調に気を遣っていた彼も
もはやそんなことはどうでもいいようだ
シンと静まり返る空気を前にして
「火野君、感情のままだね......」
と柊が苦笑した
「いや笑えへんわ......」
その隣の鈴菜はゾッとした様子で呟きつつ、横で冷静に佇む爽馬を肘でつつく
「あんたこういうときだけ涼しい顔して他人のフリすんのよくないで。仲間困ってんで」
「......」
しかしここには一人
微塵も困惑せず果敢に立ち向かえる
真のお嬢様がいた
「まったく仕方ないわね。助けに行くわよ。来なさい」
後に続け、と有姫の右手が素早く彼女たちを招く
その颯爽としたカッコよさに、鈴菜と柊は思わず口を大きく開けた
「「(◎○◎)......!?」」
「......」
「すげえ人魚だ......行くぞ小高」
鈴菜は渋る爽馬の首根っこを掴んで後を追う
有姫が瀧居とその周りの美女のところまでたどり着くと、咲夜がいち早くその存在に気が付く
「波屋さん......!?てか、お前ら......」
その声に反応して、ライ、市河、相生、瀧居、女子生徒までもが視線を向ける
そんな状況を微塵も気にする様子はなく、有姫は瀧居の横にいる女子生徒をスッと見つめ
「あなたのこと、さっき相生君が探していたわよ」
優しい表情で微笑んだ