生徒だけど寮母やります!3
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「しっかし市河アニキ、自分は心配なものは心配であります。今回の件、うちの寮母は危機感がミジンコほどもない。罰則としての軟禁に賛成するわけじゃあねぇが、部外者との接触を避け、こちらの身の安全を守るという意味では大人たちが下した軟禁という判断は間違ってるたぁ思わねえ」
「あぁ、俺もそう思うぜブロ。奴が強姦したっつーのがマジだってんならな」
「分かってねーな2人とも」
「「火野アニキ!」」
「いいか、ミニチュアシベリアンJKが強姦ヤンキーDKを軟禁する、とは物理的なパワーバランス的に難しい話だ。それをミニチュアシベリアンな姉御は分かっていた。そこでだ、人とはやってはいけないと言われるとやりたくなる生き物____実際に奴はヤッてはいけないことをヤッてここに飛ばされてきた。だから姉御は『部屋から出てはいけない』という命令は概ね破られると分かっていたんだ」
「はー!言ってること酷ぇっすけど分かりますアニキ!うちの姉御は裏をかいたんすね!」
「ああ、おそらくな」
一列にダイニングテーブルに座り感心する咲夜、市河、ドヤ顔で頷くライに、景はジト目を向ける
「聞こえてんですけど」
相生を空き部屋に案内してから1人で共同リビングに戻ってきた景は、不満そうな男子たちの視線を浴びて
「.....ごめんって」
と観念したように謝った
「私ね、彼を迎えに言った時、あまり詳しいこと教えてもらえなかったの。彼がこうこうこういう事しました、罰として男子寮Bに軟禁してくださいって言われても、本人の口から聞いたわけでもないし、彼の心の中も分からない中どうケアして良いのか分からなくて。そんな状態でまるで指導者みたいに軟禁するなんて、さすがに彼のこと舐めてるなって思ってさ」
ソファに座って聞いていた結斗は立ち上がって景の下まで来ると、その肩を優しく抱く
「ごめんね、この3人が心無いこと言って。景ちゃんはこんなに考えてるのに」
「スカポンターーン!裏切り者ー!」
咲夜が叫ぶのを尻目に、景は泣き真似をして嗚咽を漏らす
「ううう、本当だよ.....ミニュアシベリアンとか言われるし.....私悲しくて」
気まずそうに顔をそらすライに、爽馬は冷たい視線を向ける
そして彼は、はぁとため息をつくと
「別に相生くんにストレートに尋ねても良いと思うけど」
と提案した