生徒だけど寮母やります!3
バタン
2人を見送り男子寮Bのドアを閉めた景は
胸に両手を当てて大きく息を吸った
「あっぶねーーーー!!!」
思わず言葉も汚くなるほど、心臓がばくばく言って止まらない
「あぶなかったねぇ!」
「あぶなかったよミヨちゃん!!」
あの後
みんなと瀧居の元カノ「トモカ」を追いかけたがった景を
『裏取られたら困るから、景は僕と寮に帰る』
と、反抗不可能な犬姿の景は半ば強制的に爽馬に連れて帰られたのだった
『わんわんわんわんわーーん!(みんなと彼女探したーい!)』
『こら、おとなしくして』
『わんわんわわーん!(LOSしたーい!)』
『どっちにしろ既に変化の負荷が大きいから、一旦元の姿に戻って』
そんなこんなで泣く泣く景と爽馬の2人で寮に帰ってから約3分後
彼らがやって来たのである
「いや〜事なきを得たね。にしても、ここまでやるとはあの先輩、おそろしいわ」
景は身震いしながら、共有スペースのソファの後ろに呼びかける
「ねぇー爽馬なんで隠れてるのー。2人、爽馬のこと喋ってたよ」
「めんどくさいから。聞いてた」
「よかったね」
「うん」
そう言ってソファ裏から顔を出した爽馬は、相変わらず無表情だけど
「ふふ、喜んでる」
景にはその心の中が分かるのだった