生徒だけど寮母やります!3
ズルズルズル...
ズルズルズルズルズル......
男子寮Bのダイニングには黙々と麺をすする音が多数響く
「なんで先輩たちみんなしてカップ麺なの?LOSで食べてくるかと思った」
というストレートな感想を漏らしたのは千加だ
「う......」
元々LOSに行く予定のなかった一年生の夕食は、しっかりと用意されている
献立のメインはコロッケとエビフライだ
「ごめんねぇ......みんなも食べたかったよね、コロッケとエビフライ。すぐに気付いてオバちゃんに連絡すればよかった......」
「景はまったく悪くない。おいしいよラーメン。ほら」
爽馬はふわりと微笑んでから、醤油ラーメンをズルズルとすする
しかし、その光景にさらに泣き出す景
「爽馬......カップラーメンなんか似合わないのに。無理して食べなくていいのに......」
陶器のような白い肌に長い睫毛が陰を落とす
まさに氷の人形のような彼が、200円の醤油ラーメンをすすっている
ちなみに咲夜は塩ラーメン、ライは坦々麺、日向は味噌ラーメン、相生はカップ焼きそばで、それぞれ非常食として寮にストックしてあったものだ
「おい爽馬、あんまり高貴に食べすぎると、景が罪悪感抱えちゃうから」
「......どういう意味」
咲夜に忠告され困惑する爽馬を見ながら、弥隼はコロッケの乗った自分の皿をテーブルの中央に差し出した
「あの、これ食べて良いですよ」
「えええ......」
弥隼の優しさに感動しつつ戸惑う2年生
すかさずライが
「いい、いい。それは自分で食べろ」
と首を振る