生徒だけど寮母やります!3
気にするそぶりもなくエビフライをサクサクサクサクと音を立てて食べ続けている千加も、飲み込んでから口を開いた

「そーそー。どっちにしろ、そんだけじゃ1人か2人しか食べられないじゃん。相変わらずお節介だね喜多は」

「ええやろ別に〜。うるさいわ!寮母さん食べます?」


そう言ってそっと差し出された、手のつけられていないコロッケ


それを見た満宵と千冬も

「僕のも食べていいよっ!」

「僕も、口つけてないのでどうぞ」

とコロッケやエビフライを差し出した


彼らの優しさにますます心が痛む


「いいのいいの、ありがとうね。それはみんなが食べて」

「そうですか?」


しゅんとしながらお皿を下げる3人


「お前ら景にしかあげるつもりねえだろ」

ライがぼそりと呟く


「お前はなんも食べねぇの」

相生に尋ねられ、景は頷いた

「今はいいの。女子寮帰って食べることにしたから。だから今夜は8時くらいには戻ろうかな」


現在午後7時30分


「えー!もーすぐじゃんっ」

不貞腐れる満宵に、景は「え〜悲しんでくれるの?嬉しいな」

と笑った
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