生徒だけど寮母やります!3
「帰って来る途中一緒になってね」
「こんばんは」
マナは肩にかけていたカバンをソファに下ろし、涼しげな顔で挨拶する
ライは麺をすすりながら一瞥した
「おいおい、もう来たかよ」
そう
久しぶりの登場のように思える彼女だが、ここ2週間は文句を言われながら景の代わりに寮母を務めていたのである
寮で生活する彼らにとっては最近よく見る顔だ
そんな愚痴をマナは聞き逃さなかった
「もうって何よ、いついてもおかしくないでしょココの寮母なんだから」
「頼んでねー」
そっけない態度をとるライとは裏腹に、景をはじめ、咲夜、市河、満宵、弥隼、千冬たち心優しい組はパアッと笑顔を見せる
「先生お疲れ様です」
「「斎藤ちゃんお疲れー」」
「お疲れです〜」
「お疲れ様です」
それぞれの労いの言葉を聞いているのかいないのか、相変わらずマナは特に反応をするわけでもなく、彼らが食事をとるテーブルに腰かけた
「なに」
急に食事の輪に入ってきた彼女をライが不気味がる
マナは全員の顔を見渡した
「ルークがまだいないわね」
「あ、ここには今夜遅くに到着するって言ってました。今頃空港に着いた頃じゃないですか?」
景の説明に対しマナは「そう」と軽く頷く
ルークは夏休みを利用して母国、アメリカに帰っていたのだ
「まぁいいわ。彼にも一応聞いて欲しかったけど。小高君の学業復帰とか、その他諸々について話がついたから、そのことを伝えたかったの」
「僕の......」
全員の視線を集めた爽馬は呟く
表情が晴れないのはいつものことだが、あまり期待はしていなさそうだ
あまり事の成り行きを知らない相生は、みんなの様子に若干戸惑いつつ、不思議そうに元クラスメイトである爽馬を見た