生徒だけど寮母やります!3

ここでマナがいきなり立ち上がって、両手でテーブルをバン!!と叩く


「でもね!!!!」

「「「!?」」」


ただならぬ剣幕にビビって固まる一同



「なんだよ......」

ライが小さく呟く


マナは全員を鋭い目つきで見渡した


「あんたたち絶対に絶対に絶対に絶対に、小高君や兄の隆馬が市河家の援助を受けてることを誰かに漏らすんじゃないわよ!!

市河家は妖術結社の一員なの。妖術結社には小高公俊の上に立つ黒幕がいるわ。小高君が言った......なんだっけ?」


「狐学会」

思い出せずに唸るマナに、爽馬が助け舟を出す


「そうそう、『狐学会』。実の名『裏妖術結社』を黙認する、いいえ、きっと私利私欲のために良いように使ってる悪党がいるのよ。

もしその人に、もしくはその人たちに市河家が小高兄弟を匿ってることがバレてしまったら、市河家が安全である保証はないわ」


景は話を聞きながら、確かにその通りだと息を飲んだ


結斗が神妙な面持ちで口を開く

「この学校でそのことをオープンにすれば、黒幕......に伝わるのは一瞬だろうね。ここの生徒の半分は妖術科で、ほとんどの家は妖術結社に所属するんだから」


「ああ」


妖術科の咲夜が力強く頷く


市河家の末っ子である、当事者の市河は困惑した様子を見せた

自分や家族を気にして、爽馬が復学を諦めないか不安になったからだ


「だから隠せば良いんだよ!ココと俺たち家族だけの秘密で」

「だからそれは絶対よ」


マナがぴしゃりと言うと、市河は爽馬の肩を抱く

「ね、大丈夫だから」

「いっちー......」


実は人一倍、男子寮Bことを想っている爽馬には、なかなか苦しい決断だ

自分だけの問題ではないのだ

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