生徒だけど寮母やります!3
それを受け、咲夜が声にならない奇声を発しながらガクリと項垂れる
「.....〜分かってるよ、こういうの訊く役目どうせ俺に回って来るんでしょ?.......でも俺言えないってぇ〜.....流石にお前ヤらかしたの?とか無神経すぎでしょ」
「別に僕が訊いてもいいけど、いつも喋り方が喧嘩売ってるって誤解されやすいから」
「分かってるなら直して欲しいのだ」
結斗は遠い目をする咲夜を見てくすりと笑うと、景を後ろから抱き締めながらその場にいた全員を見渡して言った
「たとえ彼が本当にそういった過ちを犯してここにきたなら、誰が訊いたって癪に触ることは間違いないよ。それより俺は、相生くんと仲良くなるために歓迎会を開いた方がいいと思う」
「お前ぶっ飛んでんな」
いきなりハッピーな提案をされ、ライは目を見開いて感心したような声を出す
驚いたからか口を薄っすらと開けポカンとしていた景も、頭上の結斗を見上げ微笑んだ
「良いこと言うね、結斗。私そう言うポジティブな考えが一番好き」
「ありがとう、景ちゃん。俺も景ちゃんが世界で一番大好きだよ」
「え、えへへ」
景は返事のおかしな点には気がつかなかったふりをしておくことにする
ライがぎゅっと景を抱きしめる結斗の膝裏に無言で蹴りを入れるのを眺めながら、咲夜は思わず笑いをこぼした
「ははは.....この寮のモットーは『平和』だしな」
「ダサい。僕がいない間に決めたの?」
「.....今決めた。相生だって1人でこんなとこきて軟禁なんて、普通の人間だったら居心地悪いに決まってるんだよな。仲良くなるのが一番の近道だって思えてきた」