生徒だけど寮母やります!3
私の寮母生活16 〜アメリカか日本か それが問題だ〜

大発表あります!









* * * * *




夏休みが明けた新学期初日



課題の成果を証明するための実力テストもなんとか終わり

変則日程により午後の授業はカットされたため、12時30分には景を含む男子寮Bの生徒ほとんとが寮に戻っていた



テストから解放された咲夜が、リビングの共有スペースで奇妙な踊りを踊っている


「進級できるんか〜い♪」

「なにそれ......」


触れたほうがいいのか、そっとしておいたほうがいいのか迷っていた市河は、引きつつも不気味な踊りにツッコミを入れる


振り付けは盆踊りによくあるそれだ


咲夜はヘンテコなオリジナルソングを歌いながら踊り続けた


「爽馬は〜補修をいっぱい受ければ 来年3年生になれる〜よ〜

あ〜進級できるんか〜い♪」



変な歌だが、おめでたい歌詞を聴いた市河は真面目な顔をして「そうなんだ」と独りごちる


そういえば爽馬の姿が見当たらないが、歌の通りならば沢山詰まっている補習を受けているのかもしれない



歌と踊りはまだ続いた



「アイオは〜謹慎中だからテストを寮で受けた〜よ

試験監督は斎藤ちゃんだ〜よ

あ〜信用できるんか〜い♪」


「お前......先生が聴いたら爆発するぞ」



その辺にしとけ、と嗜めるも、市河は再び「そうか良かったなアイオ......」と独りごちる


本人は部屋にいるのだろう、ここリビングにはいないが

彼が自分たちの後押しにより、テストに向けて慣れない勉強を頑張っているのを見てきたからか、市河は歌を聴いてついつい微笑む


そんな様子をテーブルに座って見ていたルークは首を傾げた

「日本人はテストとかストレスが溜まるとフォークソングを踊るの」

「そんなわけないだろ」


すかさずツッコミを入れたのはルークの隣に座っていたライだ


ルークは「咲夜先輩だけカ......」と呟くと、時差ボケだろうか、ふわぁとあくびをして線の細いふわふわの金髪を小さく揺らした

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