生徒だけど寮母やります!3
「景」
ライは寝息を立てる景の前にしゃがみこむと、その頬を指で撫でる
その背中に咲夜が呼びかけた
「起こしちゃうの?寝かせておいてあげれば」
細い肩はきゅっと縮こまり腕をコンパクトに顔の前で曲げて、すーすーと寝息を立てる様子は可愛らしく、気持ち良さそうだ
彼女が普段昼間から男子寮で寝ることはあまりないが、テスト期間だけは睡魔に勝てないらしく、たまに眠っている
ライはそんな彼女を見つめ不敵な笑みを見せると、眠る景の両脇に手を入れ、その上半身をガバッと持ち上げた
「お前寝たフリだろ」
「ええええ」
「...............」
その場にいた咲夜、市河、ルークが困惑しながらその様子を見つめる
急に体を起こされた景は、ライの整った顔を前にして顔を青ざめさせると
「ごめん...」
気まずそうな苦笑いを浮かべて、小さく呟いた
「ふーん、何企んでんの景ちゃん」
ライはソファに座る景の頭を長い腕で抱え込みつつ顔を覗き込む
「近いんだけど......」
「なんで寝たふりしてんの。もしかして、テストの数学失敗した......?」
「う......」
どうやら図星のようだ
景はライの鋭い視線から目をそらした