生徒だけど寮母やります!3
「そうです......数学失敗したんです」
消え入りそうな声で報告すると、ライは「はぁ」とため息をつく
しょんぼりとして可愛そうな景を不憫に思った市河は、助け舟を出した
「ライ、そんな追い詰めなくても......。数学を使わなくても受験できるところはあるわけだし。景も数学以外は結構できるし」
「え......」
よく聞くと「数学は諦めろ」と言われているような気がしなくもない
ある程度勉強した上でこの結果なのだから、この言葉は結構胸に刺さる
そんな景の気持ちも知らず
2年生の中で1番成績の良い咲夜も「そーそー」と頷いた
「毎日寮母の仕事もあって忙しいんだから。難しいよ数学って」
「う......」
今回も1番出来が良かった彼のフォローは、市河のそれよりもさらに胸に深く刺さった
「みんなフォローするつもりある......?」
これほど文系脳を悲しく思ったことはない
側から眺めながら苦笑いするルーク
「知らぬ間に人を傷つけるって、こういうことだよネ」
落ち込んだ様子の景に、ライは
「お前はこれから毎日俺と数学やるから」
そう宣言した