生徒だけど寮母やります!3
つまり
今年の修学旅行
魔術科はアメリカ
妖術科は国内(結斗いわく四国だか京都)
と言うわけだ
「京都はもう中学の修学旅行で行ったんだよぉぉダァァァアアアーーーー」
このように理不尽を叫んだのは咲夜だけではなかった
翌日の1限前に行われた学年集会
その中で生徒会長である結斗からこの件が発表されると、全体から大きなどよめきが湧き、妖術科生徒の不満が爆発したのであった
学年集会から教室への道のりで、話を聞きながら溜め込んでいたのであろう不満を一斉に吐き出す妖術科の生徒たち
「おいマジか!」
「なんで??なんであっち(魔術科)だけ海外なの?」
「圧倒的にかかる金違ぇだろーがよ!!」
「こんなの不平等よ!」
「あの生徒会長って魔術化のヤツだろ。妖術科ナメてんだよ!!」
中には怒鳴ったり叫んだりしている生徒もいる
魔術科の生徒たちはアメリカに行ける事を嬉しく思う反面、妖術科の心境を推し量り、誰も何も言えずにいた
「本当に妖術科の言う通りだよ.....。アメリカ行きは嬉しいけど、この待遇の違いはちょっと極端なんじゃない?伊吹らしくないよね?」
階段を登りながら小さい声で景に話かけてきたのは、2年4組委員長の果子だ
「う.....うん......」
悲しそうに頷いて口をつぐんだ景に変わって、鈴菜が後ろからため息をついて答える
「らしくないし、こんなに妖術科に恨まれちゃ素直に楽しめんくない?」
「楽しめないし喜べないし」
「そう本来ならアメリカや〜!言いたいとこなんやけど」
果子と鈴菜の会話を聞きながら、横を通りかかった月沼が笑顔で振り返る
「それ後で本人に言おうよ。その通りだし」
「やんなぁ!」
鈴菜は笑顔を見せるも、彼の後ろを歩いていた有姫に
「さすがにこうなることくらい分かった上で言ってるだろうし無駄じゃない?」
と呆れられ、その笑顔を消した