生徒だけど寮母やります!3
あの学年集会以来、教室に結斗の姿はなく
結斗の机の後ろには、木の棒にてるてる坊主をくっつけたようなカカシが立っている
「あれで騙せると思ってる......?」
有姫がよく見ると、カカシの目にはレンズが埋め込まれていた
「これを通じて、どっかから遠隔で授業を受けてるってことやろ」
「生徒会室もしくは」
景の言葉に柊が続ける
「男子寮Bかな」
そこに、柊と同じく教室から出ていたライがゲッソリとした顔で戻ってきた
「最悪」
その手にはビニル袋に包まれたパンが握られている
おそらく購買で買ってきたのだろうが、その際に妖術科に囲まれたことは容易に想像がついた
ライは女性陣から「お気の毒に.....」と冷ややかな視線を受け取り
「ぜんっっっぶ、あいつのせいだ。夜シメるぞ景」
と吐き捨てて男子グループの輪の中へと入っていった
「荒れてるぅ」
「火野ライも大変やなー」
「彼目立つでしょうからね。私たちは教室付近にさえいなければ、妖術科からは学年もクラスもよく分からないだろうけど。あの人は有名人だから......」
そして妖術科による抗議運動は
放課後になっても収まることがなかった