生徒だけど寮母やります!3


「出て来い伊吹ィィイイイ!!!」

「伊吹出せ魔術科ァァアアア!!!」



「ビャービャービャービャーうるっっっさいわね妖術科!!!とっとと道開けろァァアアア!!!」

「なんだとォォオ!?」

「だから、道、開けろっつってんでしょォォアァァア!!」




教室の外に陣取る妖術科と応戦しているのは魔術科の女王、有姫だ




「影響を受けてしまってるやんアイツ」

妖術科と同じテンションで歪み合う様子に、学科授業に向かおうとした鈴菜が冷静にツッコむ



「一日中邪魔されて、とうとう有姫ちゃんの堪忍袋の尾が切れたみたいだね」

苦笑する景の横に革のスクールバッグを肩に担いだライがやってきて鼻で笑った

「アイツに妖術科を押し付けて上手くすり抜けるぞ」

「あんた.......」

「血も涙もないね......」



とはいえそれは少し可哀想だ


彼女の態度が火に油を注いでないこともないのだが........



景は有姫の元に駆け寄ると、その肩にポンと手を置いた

「まぁまぁ有姫ちゃん落ち着いて」

「景、あんたも静観してないで何か言ってやりなさいよ!」

「落ち着く気配もないな」

さらにライの登場に、妖術科の生徒からはオオ!!と歓声が上がる



「寮母とヒノライだ」

「Bだ」

「お前らだって布川とイッチーと小高と一緒に修学旅行行けないと思うと切ないだろ!!寮の仲間なんだから!!」

「今は相生も!!」



まるで聖徳太子のように口々に訴えられ、景はなんと答えればいいか分からず、とりあえずぎこちなく笑った


一方のライは熱くなる男子生徒たちを一瞥し「切ないわけないだろ」と零す




「「なんだって!!!??」」

「でもまぁ別に結斗の肩を持ってるわけでもないし、どこにいるか教えてやるよ。それが知りたいんだろ」



いきなり飛び出したトンデモ発言に、景と鈴菜はギョッとしてライを見る



「お、教えろよ......」

「教えたら失せろよ」

「分かったよ!」



ライは少しの間をおくと

「男子寮B」

と答えた
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