犬猫カップル‹時々猛獣›~番外編~
「ないないない」

呆れたように手を横に振り、心底馬鹿にしたように俺を見上げる特攻隊長に、そんなに否定しなくても良いだろうと眉間に皺が寄った。

「無いわけないよ。だって詩多だよ?」

「詩多だからこそ無い。あいつはその前に逃げる」

「眠ってたらどうするの」

「この街の奴は無いだろ。楓の女って知ってんだから」

「俺が悪目立ちして詩多が狙われたら...」

「あいつの役割、姫だけじゃないだろ。忘れたか?」

景になんでもない事のように言われ、思わず口を噤んだ。


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