ダブル～私が選ぶのはどっち～

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そしてこれは前日。

「吉川、これ。」

私は草野主任から資料を受け取る。

その資料には付箋メモが付いていた。

－今日の都合はどう？－

私は思わず資料を小脇に抱えると、大きくバツを手で示した。

昨日慎と会ったばかりで、連日では体がもたない。

その様子を見て、草野主任は笑う。

彼は草野伸哉、30歳。

あれは4年前。

入社してすぐ本社で総合研修があった後、この支店に配属された。

そう、今日の慎のように。

そして私の指導係は草野主任になった。

一週間後、草野主任の言われるまま二人で歓迎会を抜け出した。