ダブル~私が選ぶのはどっち~
そして石原さんは私の目を見た。

「私は庄司君を応援していたんですけどね。」

石原さんは意地悪く笑う。

「支店に居た時に、この三人と吉川さんの関係がすごく気になっていました。私はこう見えても、こういう事には敏感なんですよ。」

石原さんは私よりずっと上手のようだ。

私は苦笑いをする。

「石原さん、ちゃんと私が結論を出すことが出来たら、その話をしながらのお酒に付き合ってくれるかな?」

こんな近くにも、私自身をさらけ出せそうな人がいた事にやっと気が付いた。

-もし良ければ、相談に乗りますよ。話が分かるのは一緒に支社に居た私だけだと思うので。-

そんな石原さんのセリフを思い出す。

「どんどん巻き込んで下さい。」

にっこり笑った石原さんの笑顔は可愛らしい女の子そのものだった。

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