ダブル~私が選ぶのはどっち~
そこで私は取引会社周りに外へ飛び出す。

二人と話す心の準備はしていたが、会社内ではなるべく接触を避けたかった。

それは何が起こるか分からなかったから。

珍しく一人で電車に乗ると、スマホを覗く。

-そっちはどう?-

和華が早速ラインを送ってくれていた。

-草野主任たちがこっちに着いたよ。でも林主任の計らいで私は外に出ている。-

するとすぐに返信が来た。

-私も今、慎君と外に出ている。-

-帰りは捕まるだろうから、その時だね。-

私は肩で息をする。

-慎君は少し落ちつきがないわ。まさか今まさに隣にいる私が、琴乃と連絡取り合っているとは思ってもみないでしょうね。-

画面から和華の笑い声が聞こえてきそうだ。

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