ダブル~私が選ぶのはどっち~
「また吉川さんの下でいろいろ教えてもらいたいです。草野主任の下は凄くきついんですよ。」

矢田君も爽やかに口を挟む。

「二人とも元気そうで何よりです。私もこっちで頑張っていますよ、ねっ、林主任。」

私は林主任を巻き込む。

「ああ、吉川のおかげで営業成績が上がって、俺も鼻が高いよ。」

そこそこの挨拶をこなして、私はデスクに戻ろうとした時だった。

「吉川、これから林と矢田と食事に行くんだ。お前もどうだ?」

草野主任から声を掛けられた。

「えっ?」

私は一瞬ひるむ。

「そうですよ、吉川さんも行きましょうよ。」

矢田君は嬉しそうに私を誘う。

私は林主任の方をチラリと見た。

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