ダブル~私が選ぶのはどっち~
「いつもの伸哉と違うのね…。」

私が唯一草野主任の名前を呼ぶのはベッドの中だけ。

すると草野主任は、一瞬我に返ったかのような表情を見せたが…。

「い…や…、そこは…。」

草野主任の手は私の下半身に伸びる。

「ダメだ、琴乃。お前が欲しくて我慢が利かない…。」

私は大事な所を手で攻められながら、胸を嘗め回す草野主任の愛撫に気が遠くなる。

「琴乃、俺にちゃんと別れを告げてくれ。そうでないと…。」

私の身体に入ってくる草野主任を感じながら、私は草野主任の声を聞く。

「いつまでも琴乃を忘れられなくなる…。だから…。」

そう言いながら、草野主任は私の首元の指輪を気にしている。

「伸哉、今まで…、ありが…、とう…。」

私は果てるその瞬間、解き放たれた草野主任の笑顔を見たような気がした。
















< 114 / 193 >

この作品をシェア

pagetop