ダブル~私が選ぶのはどっち~
石原さんは大きく溜息をつく。

「まあ、結婚の時期は人それぞれだからね。」

私はどうやら今日は石原さんのなだめ役に回る方が良さそうだ。

そこで玄関で呼び鈴が鳴る。

「あれ?こんな遅い時間に誰だろう?」

今日は金曜日だから、仕事の後に石原さんと落ち合っている。

私の誕生日ももう数時間で終わる。

「吉川さん。」

ドアの向こうでする声は…。

私は玄関を慌てて開ける。

「矢田君、どうしたの?」

私は玄関の向こうに意外な人の顔を見た。

「こちらに美南が来ていますよね?」

私の事なんかそっちのけで部屋の奥を伺っている。

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