ダブル~私が選ぶのはどっち~
「年下くんに許可を取ってからの話ですね。」

それで正直諦めてもらうためのとどめになるかと思った。

しかし草野主任は上手だった。

「それでもいいさ。その答えはちゃんと報告するように。」

その話題はそこで終わり、それからはそれぞれの事を話し出す。

それは段々草野主任の愚痴になっていき…。

聞いているだけの私はいつの間にかかなりの量を飲んでいたようだ。

気が付くと私はあるホテルの部屋で寝ていた。

「おはよう、琴乃。」

私は聞き慣れない声で下の名前を呼ばれ、身体をびくつかせた。

ああ…、下着をつけていない。

「御馳走様でした。」

草野主任は私が映ったスマホを掲げた。

「これで琴乃は俺の言いなりだ。」

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