ダブル~私が選ぶのはどっち~
それはきっと自分に自信があるからこそ出来る事なのだ。

でも慎は違う。

慎は自分を高めて、私を迎えに来てくれたのだ。

-自分をもっと高めないと、きっと琴乃には振り向いてもらえないだろうって。その時まで自分は頑張るんだって。-

和華が慎の言葉をそう教えてくれた。

でもそれなら…、きっと離れていても私達は大丈夫。

「慎はこれからどうしたい?」

慎は優しい表情を私に向ける。

「琴乃さんの好きにすればいい。遠距離恋愛も良いかもしれないよ。」

そして慎は私の首元の指輪に手を伸ばす。

「これが答えだって受け止めて良いんだろう?琴乃さん。」

「慎はあれ以来、誰かお付き合いした人はいないの?」

あまりにもあっさりした慎の受け応えに、私はふっとそんな意地悪な事を聞いてみる。

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