ダブル~私が選ぶのはどっち~
「私が言う事を聞かなかったら、それをばらまくつもりですか?」

私は着替えながら、草野主任につぶやく。

「そんな卑怯な事はしない。いざという時の保険さ。ただ琴乃は俺の誘いにこれで応じてくれるよな。セフレからでも良いから、俺と始めないか。」

さすがに裸の写真を撮られた事はちょっと不利だ。

「ふ~ん…。気が向いたらですね。」

私は身支度を終えると、草野主任の方をくるりと向いた。

「でも二人も…、身体、持つかな。」

草野主任のあっけに取られた顔を見て、私は満足そうにその部屋を出た。

初めて草野主任をやり込めた瞬間だった。

そのイケメンで爽やかな草野主任の思惑にはまり、私は何となく関係を続けている。

草野主任のお誘いには答えた通り、気が乗った時だけ応じる。

頭の切れる草野主任なら、私が応じるタイミングも分かっているだろうに、それとは関係なく頻繁に誘ってくる。

結局毎週誘われても、応じるのは月に1回ぐらいだろうか。










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