ダブル~私が選ぶのはどっち~
私は意を決して、林主任に答えた。

「分かった。人事にはそう伝えておく。ただし…。」

林主任はニッコリと笑った。

「状況が変わったら、すぐにでも言うんだぞ。」

私達は会議室を出て、やっぱり今日も外回りに出掛ける。

その前に石原さんの所に寄った。

「石原さん、うちで待っていて。」

もう既に私達は合鍵を持つ間柄だ。

「分かりました。準備しておきます。」

二人でのお酒と料理はいつも石原さん任せだ。

どう考えても石原さんの方が早く退社出来るから。

「もしかしたら私の方も話を聞いて欲しい事が出来たかも。」

私達はお互いにニヤリと笑った。

「じゃあ、残業はそこそこでお願いいますね。」

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