ダブル~私が選ぶのはどっち~
確かに石原さんの言う通りで、私は全く反論も出来ない。

「それでね、私も転勤が決まったの。」

「え~?本当ですか?」

石原さんは凄く驚いた顔をしている。

「新しく出来る支社に行く事に決まったよ。」

「庄司君には伝えたんですか?」

「ううん、だって今日聞いたばかりだもの。石原さんに一番に言ったのよ。」

私のそんな様子に、石原さんは焦っている。

「そんな大事な事は早く庄司君に伝えなくちゃだめですよ。今すぐ連絡して下さい。」

私はゆっくりと首を横に振る。

「どうせ離れているんだもの。場所が変わろうと一緒じゃない。」

「でも…。」

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