ダブル~私が選ぶのはどっち~
私は石原さんの言葉にどきりとさせられながら、そう言った。

「…そうしてみます。」

石原さんは珍しく静かに答えた。

そして…。

「私、帰ります。」

「えっ?」

私はそそくさと片づけを始めた石原さんの姿を目で追う。

「手伝って下さいよ。早く帰って…。」

皿を持って立ちあがった石原さんはこちらを振り返った。

「今から帰って、凌平に電話します。」















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