ダブル~私が選ぶのはどっち~
「何?」

「あっ、これは黙っていくよ。また石原にでも聞いてよ。」

慎が珍しくニヤリと笑ったような気がした。

「そうそう、俺も転勤になりそう。」

慎の言葉に私が驚く。

「私も転勤の内示があったよ。」

今度は私の言葉に慎が驚いた様子だ。

「琴乃さん、転勤先はどこ?」

「ああ、新しく出来る支社を知っている?あそこで主任にしてくれるって。」

「ええっ?」

慎が大きい声を上げる。

「俺もそこの支社に行く。」

「えっ?どうしよう。」

< 149 / 193 >

この作品をシェア

pagetop