ダブル~私が選ぶのはどっち~
こういう時の石原さんはとっても意地悪だ。

「…実はね、慎も転勤が決まっていた。」

「えっ?」

さすがの石原さんも想定外だったようだ。

「…また離れ離れですか?」

石原さんが私に恐る恐る聞いた。

「それがね、私が行く支社だったのよ。」

石原さんは間髪入れずに言った。

「え~、良かったじゃないですか。」

石原さんの反応に私が驚いた。

「これで一緒に居られるじゃないですか。」

石原さんの反応に、私は頬杖をつく。

「やっぱりそういう反応が正しいのかな。」

「それ以外に何かあるんですか?」

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