ダブル~私が選ぶのはどっち~
石原さんにその時の私と慎の様子を話した。

「庄司君、可哀そう。気を遣ってしまうなんて、よくそんな事言いましたね~。」

石原さんは目を丸くした。

「でもね…。」

私はこの先の慎との会話を話そうとして、少し言葉に詰まる。

「吉川さん?」

「慎にね、…結婚したらすべてが解決するって言われたのよ。」

私の顔に熱がこもる。

石原さんもなるほどという顔をした。

「それで林主任に結婚して赴任出来るように、今日お願いした。」

石原さんの顔がぱっと明るくなる。

「それって、やっぱり草野主任のおかげかな。」

私は石原さんを見た。

「どういうこと?」

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