ダブル~私が選ぶのはどっち~
慎のそばにこんなに居たいと思った事はない。

「分かっているわ、慎…。」

そう言った私に慎は食って掛かった。

「琴乃さん!ちゃんと自分の言葉でちゃんと約束して。」

珍しく大きなはっきりとした慎の声に、一瞬私はたじろぐ。

でも…。

「もう慎しか見えない…。」

慎は静かに聞いているようだ。

「慎、愛している。だから私と結婚して下さい。」

「…その言い方だと約束じゃなくて、逆プロポーズなんだけど。」

その瞬間、二人で吹き出した。



















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